U邸

ソフトなインナーにハードな外観を着せた家

敷地は北側道路に面した長方形の広い敷地。北面道路にかなり悩みましたが、北面道路はそんなに悪いわけではなく、考え方次第ではとても良い敷地になります。
道路側にリビングが配置されないので、カーテンが閉め切ったままにならないし、道路からの騒音も気になりません。ということは、南からのお日様を十分に楽しめます。
後、北側玄関は寒いと言われますが、昨今の断熱事情を考えるとその点はクリアーされます。
このような迷いの中、お施主様とプランニングに入っていきました。
家事動線、収納、趣味、防犯、メンテナンスなど盛りだくさんの要望で、さらに私から提案したのは家相、断熱、風の流れ、デザインコンセプトでした。
デザインコンセプトは最後まで中々決まらず、大変でしたが、ディスカッションを何度となく繰り返し、みんなで納得しあって、仕上がってみると、コンセプトがしっかりとした感じに仕上がりました。
外観はメンテナンスを考慮して、ガルバニゥムをセレクト。断熱は低炭素レベルまでにして、断熱を強化。内部は中世の古い感じがありながらも、「可愛らしさ」プラス。
小屋裏のプライベートゾーンは、空の中に迷い込んだかのような気になり、平衡感覚が失いそうになるくらいの個性的な空間になっています。最初、足を踏み入れると違和感がありますが、しばらくそこに座ると、体が宙に浮いたような錯覚に陥ります。そして目の前に虹が見え始め、雨のあと虹を見た時のような優しい気持ちにさせられます。
「十人十色」、「自由」まさにこの言葉を再認識させられ、固定概念を打ち破ることを教えられたお施主様でした。